美容医療レーザーでよくピコという名前を聞くことが多いと思います!そもそもピコって何かご存じですか?
美容医療(とくにレーザー治療)の分野では、「ナノ秒(ns)」レーザーと「ピコ秒(ps)」レーザーはシミ取り、タトゥー除去、肌の若返りなどに使われますが、作用の仕方や効果、肌へのダメージの程度に違いがあります!「ピコ秒(ps)」と「ナノ秒(ns)」は、どちらも非常に短い時間の単位ですが、その長さには10倍の差があります!
✅ ナノ秒レーザーとピコ秒レーザーの違い(美容医療の観点)
特徴項目
ナノ秒レーザー
ピコ秒レーザー
照射時間
10億分の1秒(1ns = 10⁻⁹秒)
1兆分の1秒(1ps = 10⁻¹²秒)
主な作用
熱による「フォトサーマル効果」
衝撃波による「フォトメカニカル効果」
ターゲット破壊
比較的大きな粒子
より細かい粒子まで破壊可能
周囲の熱影響
熱が拡散 → 軽いやけどや色素沈着リスク
熱影響が少ない → 肌へのダメージが少ない
痛みやダウンタイム
ややあり(赤みや腫れの可能性)
少ない・回復が早い
費用
比較的安価
高価(最新技術)
🔍 それぞれの用途例
ナノ秒レーザー(Qスイッチレーザーなど)
タトゥー除去(黒や濃い色)
シミ・肝斑の治療
アザ・そばかすの除去
ピコ秒レーザー(ピコシュア、ピコウェイなど)
微細なシミや色素沈着の改善
毛穴・ニキビ跡の治療
アートメイク・カラフルなタトゥーの除去
美肌・肌質改善(ピコフラクショナル)
💡 イメージで理解する(簡単な例え)
ナノ秒レーザーは「ハンマーで叩いて砕く」感じ(熱と力を使う)
ピコ秒レーザーは「衝撃波で粉々にする」感じ(微細で正確、熱ダメージ少ない)
💡「ピコトーニング」と「レーザートーニング」の違い
「ピコトーニング」と「レーザートーニング」は、どちらも肝斑(かんぱん)・くすみ・色素沈着の改善や美肌目的のトーニングレーザー治療ですが、使うレーザーの種類や肌への作用、効果の出方に明確な違いがあります。
以下で比較してみましょう!
✅ ピコトーニング vs レーザートーニング 比較表
項目
ピコトーニング
レーザートーニング
使用レーザー
ピコ秒レーザー(例:ピコシュア等)
QスイッチNd:YAGレーザー(ナノ秒)
照射時間
ピコ秒(1兆分の1秒)
ナノ秒(10億分の1秒)
作用原理
**衝撃波(フォトメカニカル)**による分解
**熱作用(フォトサーマル)**による分解
ターゲット
より微細なメラニン・色素
比較的大きなメラニン粒子
熱ダメージ
非常に少ない
ややあり(熱影響あり)
肌への刺激・炎症
少なめ
やや出やすい(赤みや色素沈着のリスク)
回数・効果の出方
少ない回数で効果が出ることも
効果はあるが回数が必要
痛み・ダウンタイム
ほとんどなし(ピリピリ感程度)
少し赤みが出ることも
費用相場(1回)
高め(15,000~30,000円程度)
比較的安め(5,000~15,000円程度)
💡 結論
・ピコトーニング:最新技術、より安全かつ効果的、回数も少なめで済むことが多い!
・レーザートーニング:実績豊富で効果はあるが、熱の影響や副作用のリスクがやや高い。
同じ肝斑やくすみの治療が目的のトーニングレーザーでも機械の種類や特性によって違いが生じます!ひとつの分かりやすい指標として「ピコ秒」なのか「ナノ秒」なのかが1番大きな違いになります。
✨DiscoveryPICO(ディスカバリーピコ)とは
ディスカバリーピコとはピコレーザーの機械名でイタリアのQuanta社製のピコレーザーです!
ピコテクノロジーにより従来のピコレーザーより4倍のピークパワー(最大出力)で照射が可能で532nmと1064nmピコ秒に加えて694nmのルビーレーザーの3波長の照射が可能な次世代ピコレーザーです!現在日本で普及しているピコレーザーにおいて3波長を搭載しているものはディスカバリーピコ以外にはキュテラ社のエンライトンⅢのみですが、ほとんど存在していません。ディスカバリーピコは3波長のレーザーが搭載されていることにより、シミ・くすみ・肝斑・あざ・色素沈着・タトゥー除去・アートメイク除去などすべてのご希望の対して、従来の医療機器よりも複合的なレーザー選択が可能となり効果的な治療が期待できます!
✨ディスカバリーピコが他社比較で優れている点
・3波長搭載レーザーによるマルチな治療が可能
・ピコレーザーとして532nmと1064nmの使用が可能
・他社よりも大きなピークパワー(最大出力)
・他社よりも大きなスポットサイズ
・フラクショナルレーザーとしてルビーレーザーの使用が可能(ルビーフラクショナルが可能なクリニックはまだ少ない)
・ピコレーザーとしては唯一「蒸散」が可能なフラクショナルレーザーを搭載
💡 主な治療メニューと適応
治療メニュー
主な適応症例
ピコトーニング
肝斑、くすみ、美白、色素沈着症など
ピコスポット
老人性色素斑(シミ)、色素沈着症、ADMなど
ピコフラクショナル
ニキビ跡、毛穴、小じわ、肌質改善など
ピコW
肝斑、くすみ、美白、色素沈着、ニキビ跡、毛穴、小じわ、肌質改善など
ピコトーニングとピコフラクショナルをかけ合わせた施術
ルビーフラクショナル
薄いシミ、ADMなどの色素性皮膚疾患
ジェネシス
肌のハリ、毛穴、小じわ、引き締めなど
デュアルピコ
肌のハリ、毛穴、小じわ、引き締め、肝斑、くすみ、美白、色素沈着など
ジェネシスとピコトーニングをかけ合わせた施術
タトゥー除去
全色のタトゥー除去が可能
💰 料金例(ペガサスクリニック)
治療メニュー
料金(税抜)
ピコスポット
¥5,500〜¥59,800
ピコトーニング
¥18,000(1回)
ピコフラクショナル
¥36,500(1回)麻酔代別
ピコW
¥45,000(1回)麻酔代別
ルビーフラクショナル
¥45,000~(1回)麻酔代別
ジェネシス
¥13,200(1回)
デュアルピコ
¥28,500(1回)
タトゥー除去
部位や範囲により異なる
✅波長とは?
波長とは光の長さのことです!レーザーの種類によって波長が異なり、波長が短いほど皮膚表面に作用し、長いほど皮膚深部に作用します。波長が短いほどメラニンの吸収率が高くなるため、同じパワーでも波長が短いほどアグレッシブになり、長いほどマイルドになります。
✅ 美容医療における「波長」の意味
レーザー治療では、照射する波長によって、作用する深さやターゲットが変わるため、非常に重要です。
波長(nm)
主なターゲット
特徴・用途
532nm
表皮のメラニン
シミ、そばかす、表層の色素沈着
694nm
メラニン・黒インク
ADM、タトゥー(ルビーレーザー)
1064nm
真皮深層・血管・色素
肝斑、ニキビ跡、タトゥー、深い部位の治療(YAG)
✅ピークパワーとは?
「ピークパワー(peak power)」とは、非常に短い時間における最大出力のことを指します。
「ピーク(Peak)」= 山の頂点(最大)
「パワー(Power)」= 出力(エネルギー/秒)
つまり:ピークパワー=一瞬の最大出力
📌 ピークパワーとアベレージパワーの違い
用語
説明
例え
ピークパワー
瞬間的に出る最大の出力(1回のパルス)
水風船を1回だけ爆発させる
平均パワー
一定時間あたりの平均的な出力
蛇口から水を一定量流す
✅ ピークパワー(レーザー治療の場合)
ピコ秒レーザーは、パルス幅が極端に短いため、その一瞬に放出されるエネルギーが非常に高くなり、ピークパワーが高いです。
これは、メラニンや色素を「熱で焼く」のではなく、「衝撃で粉砕する」ようなイメージで作用します(=フォトメカニカル効果)
✅パルス幅とは?
「パルス幅(pulse duration / pulse width)」とは、レーザーなどで、1回のパルス(短い光の放射)が続く時間の長さを指します。美容医療やレーザー治療などの分野で非常に重要な概念です。
パルス(pulse)= 短く発生するエネルギーの「ひとかたまり」
パルス幅(パルス継続時間)= そのパルスが「どれくらいの時間続いたか」
🔍 単位でみるパルス幅
パルス幅の大きさ
単位
主な用途例
ミリ秒(ms)
10⁻³ 秒
光脱毛、IPL、一般的な医療用レーザー
ナノ秒(ns)
10⁻⁹ 秒
Qスイッチレーザー、タトゥー除去
ピコ秒(ps)
10⁻¹² 秒
ピコレーザー、美容皮膚科の高精度治療
✅ なぜパルス幅が重要なの?
1.ピークパワーに影響
パルス幅が短いほど、同じエネルギーでも瞬間的な出力(ピークパワー)が高くなる。
2.治療精度が向上
短いパルスは、熱を周囲に拡散しにくく、対象だけを精密に破壊できます(例:メラニン、タトゥー色素など)。
3.ダウンタイムが短い
周囲の組織へのダメージが少ないため、肌の赤みや腫れが少なく、回復が早い。
イメージ👇
もし1つのパルスを「カメラのフラッシュ」だとすると:
長いパルス幅:じわっと光る → 周囲にも熱が拡がる
短いパルス幅:瞬間的にピカッ! → ターゲットだけに集中、他は無傷
🔚 結論
ピコ秒レーザーの方がより精密で、肌に優しく、効果も高いことが多いですが、その分価格が高くなる傾向があります。