
術後“72時間”のケアが大切!埋没法の内出血(アザ)を防ぐ方法を院長が解説!
目次
「手軽なプチ整形」と言われる埋没法ですが、術後にまぶたに青いアザが残ってしまうことがあります。
本記事では、埋没による青アザがなぜ起こるのか?そして起こってしまった場合どのように対処すれば引いていきやすいかを詳しく解説します!
この記事を読めば、こんな悩みが解決します!
- 埋没後に内出血が起こるメカニズムは?
- 「術後72時間以内」に取るべき正しい処置とは?
- 72時間以降に効果的な回復促進ケアは?
この記事を書いた人

井上礎馬(PEGASUS CLINIC院長)
内科・泌尿器科と初期研修を含め勤務し、自ら美容診療を学ぶ。 その後業界最大手クリニックで7年間院長を務め、美容皮膚科・外科診療についても学んだ後、PEGASUS CLINICを開院。 「日本美容外科学会」「日本内科学会」「日本美容外科学会正会員」など全7つの所属学会認定医。
01そもそも埋没法とは
二重まぶたの整形手術の中でも、最も手軽で人気が高いのが「埋没法」です。
埋没法最大の特徴は、メスを使ってまぶたを切開することなく、理想の二重ラインを作れる点にあります。
具体的なメカニズムとしては、髪の毛よりも細い医療用の特殊な糸を使用し、まぶたの裏側から皮膚の一部を留めて固定することで、意図的に二重の「ひだ」を作り出します。この糸が、皮膚とまぶたを開ける筋肉(眼瞼挙筋や瞼板)を結びつける役割を果たし、目を開けたときに自然な二重の折り込みが形成されます。
手術時間もわずか10分から20分程度と短く、文字通り「プチ整形」として、美容整形が初めての方や、仕事や学校などで長期間の休みが取れない方にも選ばれやすい手法です。手軽でありながら、パッチリとした目元へと印象を大きく変えることができるため、幅広い年齢層から支持を集めています。
身体的な負担が少ないこと、そして切開を伴う手術に比べて費用を抑えられる傾向にあることも、埋没法が多くの人に選ばれる大きな理由になっています。
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02埋没の内出血はなぜ起こる?
埋没法は「プチ整形」と呼ばれるほど手軽ですが、全くダウンタイムがないわけではありません。
埋没二重のダウンタイムとしてよく挙げられるのが、目元の「内出血」です。
これは、施術中に細い血管が傷つくことによって、皮下に血液が漏れ出し、青紫色や黄色っぽいあざとなってまぶたに現れる現象です。
ここからなぜ内出血が起こるのかについて2つの理由をご紹介します。
①:“あなたの体質”によるもの(まぶたが薄いなど)
内出血の出やすさや程度を左右する最も大きな要因の一つが、ひとりひとりの体質です。
特にまぶたの「皮膚の薄さ」が関係していることが多く、皮膚が薄いほど内出血の色が透けやすく、目立ちやすくなります。
また、まぶたに「毛細血管が多い方」や「血管自体が脆い方」も、わずかな刺激で血管が破れやすくなるため、内出血が大きく現れるケースがあります。
②:医師の「技術不足」によるもの
実は埋没法で内出血は、“医師の技量不足”が大きく関係しています。
大前提、美容施術というのは、施術時間が少ないほど身体への負担が少なく、ダウンタイムが短くなります。
しかし施術時間をむやみに短くしてしまうと、今度は「失敗によるダウンタイム(施術ミス)」が発生してしまいます。つまりダウンタイムを最大限に抑えるには、
①:失敗のない施術…そもそも傷をつけない
②:素早い施術…身体に負担をかけない
この両方を抑える必要があります…が、研修医などが担当することで、「失敗はないが、目元に負担がかかる」や「やや傷跡が目立つ」など、医師の技術不足によってダウンタイムの長期化や内出血の発生などにつながってしまうのです。
【院長コラム】“ダウンタイムが少ない術式”は施術できる医師が限られている
少し専門的な話になりますが、埋没法には例えば『トリプルループ(3点留め)』や『裏留め』など、目元に負担をかけづらい術式が存在します。
しかしこれらの術式は非常に専門的な技術が要され、大手クリニックであれば院長クラスの医師でないと、そもそも“その術式で施術することすらできない”などの制約があったりします。
つまり、例え技術力のある医師が担当したとしても、その術式を行えるか?は別問題ということ。
当クリニックでは、これまで8,000件以上の埋没二重施術を行ってきた院長の私井上が、『トリプルループ』や『裏留め』などの術式を用いて、できるだけダウンタイムの少ない施術を行います。
また当クリニックは使用する医療機具(縫合糸など)にもこだわっており、私がこれまでの経験を活かして、最も“美しく・しなやかになる”と判断した器具を標準仕様(オプションなし)として採用しています。
この辺りの内容は別記事にまとめていますので、こちらもあわせてご覧ください。
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03埋没の内出血を早く治すには?
内出血を早期に改善させるためには、その原因である「皮膚の下に漏れ出た血液」が吸収されるタイミングで、適切な処置を施すことが大切。
術後の経過時間によって処置が異なりますから、ここからは「初期の炎症期(72時間以内)」と「回復・吸収期(72時間以降)」に分けて解説します!
術後“72時間以内”の対処法
術後72時間(約3日間)は、内出血がまだ活動的で、炎症が最も強い「急性期」に当たります。この時期の目的は、内出血の範囲拡大を防ぎ、腫れや炎症を最小限に抑えることです。
対処法 | 目的と具体的な方法 |
---|---|
徹底したアイシング(冷却) |
【目的】: 血管を収縮させ、これ以上の血液の漏れ出しを抑える。また、炎症による痛みや腫れを鎮静化させる。 【方法】: 清潔なタオルで包んだ保冷剤や氷水を入れた袋などを使用し、まぶたの上を優しく断続的に冷やします。冷やしすぎると凍傷のリスクがあるため、1回につき10〜15分程度、休憩を挟みながら行うのが理想です。 |
安静・頭を高くする |
【目的】:血圧の上昇を防ぎ、患部への血液集中を避ける。 【方法】:激しい運動や飲酒、長時間の入浴など、血行を促進する行為は厳禁です。就寝時も枕を高くするか、座椅子などで上半身を少し起こした状態で寝ることで、まぶたの静脈の血流をスムーズにし、腫れや内出血の悪化を防ぎます。 |
処方薬の服用 |
【目的】:炎症を抑え、感染を予防する。 【方法】:医師から処方された抗炎症薬や抗生剤は、指示通りに正しく服用します。自己判断で服用を中止しないようにしましょう。 |
術後“72時間以降”の対処法
術後72時間を過ぎると、内出血の拡大はほぼ落ち着き、吸収と回復のフェーズに入ります。この時期からは、血液の吸収を促すために「血行を良くすること」へと対処法を切り替えるのがポイントです。
対処法 | 目的と具体的な方法 |
---|---|
ホットタオルなどで温める |
【目的】:血行を促進し、皮下に溜まった血液(内出血)の吸収スピードを早める。 【方法】:濡らしたタオルを電子レンジで温めたホットタオル(やけどしない程度の温度)を、まぶたに優しく当てます。アイシングとは逆に、血行を良くすることで、体内の免疫細胞が血液を分解・排出するのを助けます。ただし、腫れや痛みが強い場合は、まだ炎症が残っている可能性があるため、温めるのは控えてください。 |
やさしいマッサージ |
【目的】:周辺のリンパや血流をさらに促し、内出血の原因物質の排泄を助ける。 【方法】:まぶたに直接強い刺激を与えるのはNGです。目の周りからこめかみ、耳の下、首筋へと、リンパの流れに沿って非常にソフトに触れる程度でマッサージを行います。これにより、まぶた周囲の排出力が高まります。 |
血行促進効果のある食材の摂取 |
【目的】:身体の内側から血流と代謝をサポートする。 【方法】:ビタミンE(ナッツ類、かぼちゃ)、ビタミンC(果物、緑黄色野菜)、タンパク質など、血管や皮膚の修復を助け、代謝を高める栄養素を積極的に摂取しましょう。 |
04その他の「内出血ケア」のポイント!
①:枕を高くして寝る!
埋没法後のダウンタイム中、特に最初の数日間まぶたの血液や水分を停滞させないことが大切。そのために実践いただける方法の1つが「枕を高くして寝ること」です。
目的:
頭の位置を心臓より高く保つことで、重力によってまぶたへの血液や体液の集中を防ぎ、腫れや内出血の悪化、長期化を防ぎます。
方法
通常よりも高めの枕を使用するか、枕の下にタオルなどを重ねて入れる、あるいは背中にクッションを置き、上半身を少し起こした状態(15度~30度程度)で眠るようにしましょう。この姿勢は、夜間の血行不良による朝の腫れの軽減に特に役立ちます。
②:メイクでカバーする!
通常、内出血は青紫→緑→黄色と色が変わっていき、数日から1〜2週間で消えていきます。
施術後の検診で医師の許可が出てからにはなりますが、「緑〜黄色」の目立つ内出血が起こるタイミングではメイク可能であることがほとんどですので、アイメイクによって上から隠すことが可能です。
カバーの方法
- 青色・紫色の場合: 補色であるイエロー系やオレンジ系のコンシーラーを薄く塗ることで、目立つ色を打ち消します。
- 黄色の場合: 肌色に近いコンシーラーで自然にカバーします。
注意点
メイク時やクレンジング時には、まぶたに強い摩擦や圧力をかけないよう、優しく丁寧に行うことを心がけてください。
③:「医師からのアドバイス」を守ること!
内出血に限らず、ダウンタイムの症状の出かたは“人によってそれぞれ違うこと”を覚えておきましょう。
寝方やメイクによるカバー、その他ネット上にもいろいろ情報がありますが、一番大切なことは「今のあなたに必要な処置を行うこと」です。
メイクの仕方に注意すべき場合、洗顔やメイク落としに注意すべき場合…などなど、目元の調子によってはNGとなる行為も人によっては存在します。
内出血のリスクは、1人ひとりの「体質」に深く関わります。そのため「施術が終わったからOK」ではなく、今後“どう生活していくべきか聞くこと”までが美容施術だということをしっかり意識して、医師からのアドバイスを守るようにしましょう!
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06まとめ:内出血は対策と施術が肝心です!
本記事では、埋没法後の内出血の原因と、それを早く治すための具体的な対処法を、時間軸に沿って解説しました。
この記事のまとめ
- 埋没法は手軽だが、ダウンタイムで腫れや内出血が起こる!
- 術後72時間以内は冷却と安静で、血管収縮と炎症抑制を行う!
- 術後72時間以降は温めることやマッサージで血行を促進し、内出血の吸収を促す
- ダウンタイム抑制には、経験豊富な医師の繊細な施術と精度の高い機器の選択が不可欠!
- 枕を高くする工夫や、メイクでのカバーも回復と精神的な負担軽減に有効!
内出血は一時的なもので、適切なケアでしっかりと治癒することがほとんどです。
回復を早める鍵は、「初期は冷やして広がりを防ぎ、その後は温めて吸収を促す」という時間軸に合わせた対処法の切り替えです。
また、内出血のリスクを抑えるためには、施術を受ける前のクリニック選びと、医師の技量を確認することが極めて重要です。正しい知識と適切な行動で、ダウンタイムを乗り越え、理想の二重を手に入れましょう!
この記事を書いた人

井上礎馬(PEGASUS CLINIC院長)
内科・泌尿器科と初期研修を含め勤務し、自ら美容診療を学ぶ。 その後業界最大手クリニックで7年間院長を務め、美容皮膚科・外科診療についても学んだ後、PEGASUS CLINICを開院。 「日本美容外科学会」「日本内科学会」「日本美容外科学会正会員」など全7つの所属学会認定医。