
2024.12.25
投稿日:2024.05.15 最終更新日:2025.08.29
目次
「ニキビは治ったのに、跡がなかなか消えない…」そんな悩みを抱えていませんか?
赤みや色素沈着、肌のデコボコ――鏡を見るたびに気になるニキビ跡は、多くの人が経験する肌トラブルのひとつです。実はその跡、原因や種類によって改善方法が大きく異なるのをご存知でしょうか?
このコラムでは、ニキビ跡の代表的なタイプである「赤み」「色素沈着」「クレーター」について、それぞれの特徴・原因・治療法を詳しく解説します。正しい知識を持つことで、無駄なケアを減らし、効果的な改善が目指せるようになりますよ。ニキビ跡には大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴と原因を簡単にご紹介します。
美容医療の経験豊富な井上院長とスタッフが、常に「お客様視点」を意識して、分かりやすくタメになる専門美容知識を発信いたします。
1.赤み(炎症後紅斑)
特徴:ニキビが治った後に、皮膚が赤く残る状態。
原因:炎症によって毛細血管が拡張し、血流が集中しているため。
対処法:紫外線対策、美白ケア、ビタミンCなどの使用が有効。
2.色素沈着(炎症後色素沈着)
特徴:茶色や黒っぽいシミのような跡。
原因:炎症によってメラニンが過剰に生成され、皮膚に残ってしまう。
対処法:美白成分(ハイドロキノン、トラネキサム酸など)の使用、ピーリング。
3.クレーター(陥没・凹み)
特徴:肌がデコボコに陥没している状態。
原因:強い炎症や膿が真皮層までダメージを与え、肌の組織が破壊されることによる。
対処法:美容皮膚科での治療(フラクショナルレーザー、ダーマペン、PRPなど)が必要。
✅特徴
・ニキビが治ったあとに、赤〜ピンク色の跡が肌に残る状態。
・凸凹はなく、肌の表面は滑らかだが、赤く見える。
・ファンデーションやコンシーラーで隠そうとしても、やや透けて見えることがある。
・肌が敏感で刺激を受けやすい状態。
⚠️原因
・ニキビの炎症が治る過程で、毛細血管が拡張し、血流が一時的に集中している。
・肌の深部では傷が修復中で、炎症の名残として赤みが残っている。
・摩擦・紫外線・乾燥などの外的刺激によって、赤みが長引くことがある。
💡対処法・ケア方法
1.紫外線ケアの徹底
・日焼け止めを毎日使用する。
・紫外線は赤みを悪化させ、色素沈着の原因にもなる。
2.低刺激のスキンケア
・アルコール・香料・着色料などが少ない、敏感肌用の化粧品を使う。
・クレンジングや洗顔時は摩擦を避けてやさしく洗う。
3.抗炎症・美白成分の活用
・ビタミンC誘導体:毛細血管の収縮や美白に効果的。
・グリチルリチン酸:抗炎症作用あり。
・トラネキサム酸:美白+抗炎症のダブル効果。
4.クリニックでの治療
・IPL(光治療)やレーザー治療で、赤みの原因となる毛細血管を改善可能。
・自宅ケアで改善しない場合は、専門的な治療も選択肢に。
✅特徴
・ニキビが治った後に、茶色や黒っぽいシミのような跡が肌に残る状態。
・肌表面に凹凸はないが、色ムラが目立つ。
・メイクである程度隠れるが、時間が経ってもなかなか消えないことがある。
・赤みが治まったあとに出てくるケースが多い。
⚠️原因
・ニキビの炎症により、メラノサイト(色素細胞)が活性化。
・過剰に生成されたメラニンが、肌の奥に沈着して残ってしまう。
・特に、紫外線・擦れ・乾燥・炎症の長期化がリスク要因。
・ニキビを潰す・いじるなどの物理的刺激も原因に。
💡対処法・ケア方法
1.紫外線対策の徹底
・日焼け止めは季節を問わず毎日使用。
・UVカット効果のある下地やファンデーションも有効。
・紫外線はメラニン生成を促進するため、最重要ケア。
2.美白成分を含むスキンケアの活用
・ハイドロキノン:メラニン生成を抑制。即効性があるが刺激が強め。
・トラネキサム酸:抗炎症・美白効果のある成分。敏感肌にも比較的使いやすい。
・ビタミンC誘導体:抗酸化作用+メラニン還元効果。
・ナイアシンアミド:色ムラ改善に有効で、保湿効果もあり。
3.ピーリング・角質ケア
・AHA(フルーツ酸)などの成分で、古い角質を取り除きターンオーバーを促進。
・使用は週1〜2回が目安。やりすぎは逆効果なので注意。
4.美容クリニックでの治療
・ケミカルピーリング、レーザー治療(Qスイッチルビーレーザーなど)。
・シミとり専用の薬やクリームの処方を受けることも可能。
⏱色素沈着の自然回復期間
・軽度であれば数ヶ月〜半年ほどで薄くなることがあります。
・ただし、放置すると定着してシミになるケースもあるので、早めのケアが重要です。
✅特徴
・肌の表面が凹んでデコボコしている状態。
・一見してニキビ跡と分かるため、メイクでも完全に隠すのが難しい。
・主に頬・こめかみ・額など、皮脂分泌が多い部分にできやすい。
・軽度から重度まで段階があり、形も以下のように分類されます。
種類 | 特徴 |
---|---|
アイスピック型 | 鋭く深く細い穴のような凹み。治療が難しい。 |
ボックス型 | 四角く比較的浅い凹み。輪郭がくっきり。 |
ローリング型 | 広く浅い波状の凹み。皮膚が引きつったように見える。 |
⚠️原因
・炎症性ニキビ(特に膿を伴うもの)が真皮層までダメージを与えた結果。
・炎症により、皮膚組織が破壊され、コラーゲンやエラスチンが減少。
・自然治癒が追いつかず、皮膚が修復されないまま凹みが残る。
・ニキビを潰したり、過度に触ったりする行為も原因となる。
💡対処法・ケア方法
・レチノール(ビタミンA誘導体):ターンオーバー促進、コラーゲン生成。【ゼオスキンなど】
治療法 | 特徴・効果 |
---|---|
フラクショナルレーザー | 微細なレーザーで肌に穴を開け、再生を促進。ダウンタイムあり。 |
ダーマペン | 極細針で肌に穴を開け、再生力を活かす治療。 |
サブシジョン | 皮膚の下でクレーターを引っ張っている繊維をカットして滑らかにする。 |
ポテンツァ | 独自のドラックデリバリーシステムを用いて極細針で肌に穴を開け、薬剤を導入する。 |
TCAクロス法 | 深いクレーターに高濃度TCA(トリクロロ酢酸)を局所的に使用。アイスピック型向け。 |
※ ただしクレーターを完全に消すことは難しいです。ですが、目立たなくすることは可能です。何よりも予防が最優先と言えますね!
【特徴】
・針で刺したように細く深い穴が肌にあいている状態。
・直径は1〜2mm程度だが、深さは真皮〜皮下組織に及ぶことも。
・見た目は「毛穴の開き」に似ているが、通常のスキンケアでは改善が難しい。
・頬やこめかみに多く見られる。
【原因】
・強い炎症性ニキビ(膿ニキビや嚢胞性ニキビ)が深層までダメージを与えた結果。
・炎症によって毛穴周囲の組織が破壊され、コラーゲンが失われて修復不能になる。
・間違ったスキンケアや、ニキビを潰す行為も深いダメージの原因に。
【対処法・治療法】
アイスピック型は自然治癒や市販の化粧品では改善が難しいため、医療機関での治療が基本です。
治療法 | 特徴・効果 |
フラクショナルレーザー | 微細なレーザーで肌に点状のダメージを与え、再生を促す。ダウンタイムありだが、浅めのクレーターには効果的。 |
TCAクロス | 高濃度トリクロロ酢酸(TCA)をクレーター内部にピンポイントで塗布。強制的に傷をつけ、再生させる。効果は高いが赤みが数週間残る。 |
⏱治療回数
・1回の治療では改善が難しく、3〜6回以上の継続治療が必要なケースが多いです。
・肌質やクレーターの深さによって、治療法を組み合わせるのが一般的。
・ダウンタイムや副作用(赤み・かさぶた・乾燥など)にも注意が必要。
アイスピック型は治療のハードルが高い分、専門的な施術でしっかり対応することが大切です!「今あるクレーターの進行を防ぐ」「これ以上作らない」ためのスキンケアも同時に行いましょう。
【特徴】
・クレーターの縁がハッキリしていて、箱のように角ばった凹みが特徴。
・凹みの深さは浅いものから深いものまでさまざま。
・肌の表面積が広く凹んで見えるため、光の加減でとても目立ちやすい。
・アイスピック型よりも浅く、比較的治療の反応が良いとされる。
【原因】
・炎症性ニキビ(膿や硬いしこりのあるタイプ)が真皮層にダメージを与える。
・炎症後、皮膚組織の再生がうまくいかずに皮膚が陥没。
・皮膚の再生時にコラーゲンが均等に生成されなかった結果、平らにならず四角い凹みになる。
・特に、ニキビを無理に潰す、強く触る行為で悪化しやすい。
【対処法・治療法】
・レチノール・ビタミンC誘導体で肌のターンオーバーを促進。
治療法 | 特徴・効果 |
フラクショナルレーザー | 肌に微細な穴を開けて再生を促進。ボックス型の改善に高い効果。数回の治療が必要。 |
サブシジョン | クレーター下の繊維を物理的に切断して、凹みを浮かせる。特に深めのボックス型に有効。 |
ダーマペン | 極細針で肌を刺激し、再生力を高める。浅めのボックス型に効果的。 |
ポテンツァ | 針+高周波のコンビでコラーゲン再生を促進。肌の引き締めにも◎。 |
ボックス型は見た目に影響が大きい分、治療の効果も感じやすいタイプです。医療的アプローチでの改善が主流ですが、日々のスキンケアと並行することでより効果的になります。
クレーターの深さ・広がり・肌質によって治療法の組み合わせが必要となるため、医師と相談して、複数回に分けて計画的に施術するのが効果的です!
【特徴】
・肌表面が波状にうねって見える、比較的広範囲にわたる凹み。
・凹みの縁がぼやけていて滑らか、丸みを帯びている。
・頬やフェイスラインに多く見られやすい。
・光の当たり方によって、肌の凹凸が強調される。
【原因】
・ニキビの炎症が皮膚の奥深く(真皮層)まで及び、広範囲のコラーゲン破壊が起きた結果。
・炎症によるダメージで、皮膚とその下の組織が癒着し、表面が波打つように。
・アイスピック型やボックス型よりも、「皮膚のたるみ」や「コラーゲン不足」が目立つタイプ。
【対処法・治療法】
ローリング型は**「皮膚の下の癒着を剥がす」+「コラーゲンの再生」**がポイントです。
治療法 | 特徴・効果 |
---|---|
サブシジョン(Subcision) | クレーターの下にある癒着を針で物理的に切断。ローリング型に最も効果的。 |
フラクショナルレーザー(CO2、エルビウム) | コラーゲン再生を促進。サブシジョン後の組織再生を助ける。 |
マイクロニードルRF(高周波) | 真皮層に刺激を与え、引き締めと弾力回復。 |
ダーマペン + 成長因子(PRP、ヒト幹細胞など) | 微細な傷をつけて再生を促し、肌の質感を改善。 |
フィラー注入 | 癒着でできた凹みを持ち上げる。サブシジョンと併用されることが多い。 |
ローリング型は「癒着解除+コラーゲン再生」がカギ!医療機関での治療が中心ですが、日々のスキンケアで肌の再生を支えることも大切です。レチノール・ビタミンC誘導体・ナイアシンアミドなどの成分でコラーゲン生成をサポートするとともに保湿とUVケアで肌環境を整え、肌の修復力を高める必要があります!
種類 | 自然回復の目安期間 | 改善しやすさ |
---|---|---|
赤み(炎症後紅斑) | 約3ヶ月〜1年 | ◎ 比較的自然に薄くなる |
色素沈着 | 約半年〜2年 | ◯ 徐々に薄くなるが時間がかかる |
クレーター(陥没) | 改善ほぼなし | ✖ 自然治癒はほぼ期待できない |
内服薬:ビタミンC、抗炎症剤など → 約1〜3ヶ月で改善傾向
外用薬:美白・抗炎症クリーム → 数ヶ月で徐々に薄く
レーザー(IPLなど):1〜3回でかなり目立たなくなる人も
内服:トラネキサム酸、ビタミンC → 約2〜6ヶ月
外用:ハイドロキノン、ビタミンC誘導体 → 約3〜6ヶ月
ピーリング・レーザー:2〜5回で効果が見られることが多い
内服・外用のみでは効果が薄い。
フラクショナルレーザー、サブシジョン、ダーマペンなどの治療が必要。
軽度:3〜6回の治療で改善が実感できる
中〜重度:半年〜1年以上かけて段階的に治療
※1回で劇的改善はまれ。継続的な施術+スキンケアが重要。
ランク | 種類 | 治しやすさ | ポイント |
---|---|---|---|
🥇 難しい | クレーター(陥没) | ✖ 非常に治りにくい | 真皮層の構造が壊れており、自然治癒は不可。医療処置が必須。 |
🥈 中程度 | 色素沈着 | △ ゆっくり治る | メラニンの蓄積。時間をかければ薄くなるが、再発しやすい。 |
🥉 比較的容易 | 赤み(炎症後紅斑) | ◯ 多くは自然に改善 | 毛細血管の拡張によるもの。紫外線・刺激を避ければ回復しやすい。 |
➡️ 「クレーター」タイプのニキビ跡が最も治しにくいです。
放置しても改善はほとんど期待できず、専門的な治療が必要です。
ニキビ跡は「赤み」「色素沈着」「クレーター」と大きく3つに分かれ、それぞれ原因や治療法が異なります。特にクレーターはアイスピック型・ボックス型・ローリング型と形状により難易度も異なり、適切なアプローチが必要です。「自然に治るもの」と「医療的な治療が必要なもの」を正しく見極め、早めの対応が肌をきれいに保つ第一歩。赤みや色素沈着は日々のスキンケアや内服で改善が期待できますが、クレータータイプは専門の美容皮膚科での治療が鍵となります。肌の悩みは人それぞれ。焦らず、肌に合った方法で丁寧に向き合っていきましょう。
美容医療の経験豊富な井上院長とスタッフが、常に「お客様視点」を意識して、分かりやすくタメになる専門美容知識を発信いたします。
Information 診療カレンダー
〒430-0933 Map
静岡県浜松市中央区鍛冶町140‐4 浜松Aビル北館7階
診療時間 | 9:00~18:00 最終受付:カウンセリングは16:30、施術は内容により異なります |
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診療科目 | 美容外科 / 美容皮膚科 |
休診日 | 不定休 診療カレンダーでご確認ください |
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