✅ヒアルロン酸とは?
ヒアルロン酸はもともと人体の皮膚や関節、眼球などに存在する保湿成分です。1gで6Lもの水分を保持できる高い保水力を持ち、肌のハリや潤いを保つ重要な役割を担っています。
📌 美容医療でのヒアルロン酸の役割
美容分野では、主に注入剤として使用され、以下のような目的で用いられます。
💎ボリュームアップ
頬やこめかみのこけに注入し、ふっくらとした若々しい輪郭に
涙袋形成や唇のボリュームアップ(Cカールリップなど)
💎 シワの改善
ほうれい線
ゴルゴライン
マリオネットライン
額・目尻などの浅いシワ
💎輪郭形成・シャープ化
鼻筋形成(プチ整形)
顎(Eライン形成)
フェイスラインの調整
💎肌質改善(スキンブースター系ヒアルロン酸)
水光注射やスキンブースターとして肌のハリ・ツヤ・小じわ改善目的で使用
📌ヒアルロン酸の種類
使用する製剤によって持続期間や硬さ、適応部位が異なります。
製品名
特徴
主な用途
持続期間目安
ジュビダーム(ボリューマ/ボルベラなど)
長持ち・滑らか・アラガン社製
輪郭形成、涙袋、唇
約9ヶ月〜18ヶ月
ボライトXC
柔らかく自然・保水力◎
両頬・首
約9ヶ月
オルチャンヒアル
なじみやすさ
輪郭形成、涙袋、唇
約6か月~12か月
✨ヒアルロン酸注入のメリット
ダウンタイムが少ない
即効性が高い(注入直後から変化を実感)
万が一気に入らなくても溶解剤(ヒアルロニダーゼ)で分解可能
自然な若返りや美的バランスの修正が可能
※ 副作用・リスク
腫れ・内出血(数日〜1週間程度)
左右差・違和感
血管塞栓(ごく稀。注入技術によりリスク軽減可)
アレルギー反応(非常に稀)
アラガン社は、世界的に最も信頼性の高いヒアルロン酸製剤ブランドのひとつとして知られています。
✅アラガン社製ヒアルロン酸「ジュビダームシリーズ」の特徴
①米国FDAおよび日本の厚生労働省 承認
安全性と効果が科学的に証明された医療用ヒアルロン酸
厚労省承認製剤の中では最も実績豊富
②VYCROSS(バイクロス)技術
高度な架橋構造により、なじみやすく、持続力が高い
ゲルの密度が高く、水分を吸収しすぎない → 腫れにくく仕上がりが安定
③滑らかな質感でナチュラルな仕上がり
均一な粒子構造によりダマになりにくく、皮膚になじみやすい
表情に合わせて柔らかく動く → 「入れてる感」が出にくい
④麻酔成分入り(リドカイン配合)
痛みを軽減できるため、施術時のストレスが少ない
📌ジュビダームシリーズの種類と特徴
製品名
特徴
主な使用部位
持続期間目安
ボリューマ(VOLUMA)
最も硬い・しっかりボリューム形成
頬・こめかみ・あご
約18〜24ヶ月
ボルベラ(VOLBELLA)
柔らかく自然な質感・繊細な施術向き
涙袋・唇・目周り
約9〜12ヶ月
ボリフト(VOLIFT)
中間の硬さ・しわの改善にも◎
ほうれい線・口元・フェイスライン
約12〜18ヶ月
※すべてリドカイン配合
💎アラガン社製ヒアルロン酸がおすすめな方
「自然に若返りたい」
「信頼できる製剤を使ってほしい」
「腫れや内出血を最小限にしたい」
「持続力が長いほうがいい」
✅オルチャンヒアルの特徴
韓国で高い実績を誇るHugel社製で、Bi‑HEXA架橋技術と微細粒子均一化工法を採用した高品質ヒアルロン酸。FDA/MFDS承認済で、安全に使用でき、バリエーション豊かな硬さ展開により、幅広い部位・目的に適応します。即効性がありながら、半年〜1年以上の持続効果が得られる点が魅力です。
①Bi-HEXA製法による強固な架橋構造
製剤を熱処理する際にじっくりと時間をかけることで、ヒアルロン酸の架橋(クロスリンク)を強化。その結果、ボリュームアップ力と弾力性が向上し、長期的な効果が期待できます。
②微細粒子均一化工法で滑らか&高弾性
Hugel社独自の製造技術によって、ヒアルロン酸粒子の大きさや圧出力を均一に整える工夫がなされており、注入後もなじみやすく、自然で滑らかな仕上がりが得られます。
③用途に応じた豊富な硬さバリエーション
硬さの異なる複数タイプ(No.1〜No.4など)があり、部位や目的に合わせて最適な製剤が選択可能。表皮や真皮層、皮下、骨膜上といった様々な深さに対応しています。
④FDA/KFDAの承認取得
アメリカFDAおよび韓国MFDS(旧KFDA)に承認されており、安全性と品質が国際基準に沿って担保されています。
⑤即効性があり、長期的な持続力
注入後すぐに肌のハリやボリュームを実感でき、持続効果は一般的に約6ヶ月〜1年程度。中には12〜24ヶ月の持続をうたうクリニックもあります。
📌ヒアルロン酸粒子の細かさとは?
ヒアルロン酸製剤は、ゲル状に加工される過程で「粒子の大きさ(粒径)」が調整されており、製剤によって粗いもの・細かいものがあります。
粗い粒子(粒径が大きい):しっかりボリュームを出す・深層注入向き
細かい粒子(粒径が小さい):なじみやすく、浅い層への注入に適する
📌 粒径の目安(代表的な製剤)
※単位:マイクロメートル(μm)
製剤名
粒子の特徴
主な使用部位
ジュビダーム(ボルベラ)
非粒子型(粒子がないゲル状)で非常になめらか
涙袋、唇、目元
ジュビダーム(ボリューマ)
高密度な非粒子型・硬めのゲル
あご、頬、輪郭形成
チャウムプレミアム No.1〜4
微粒子を均一に整えた粒子型
目元〜深層部まで調整可
📌 粒子の細かさが仕上がりに与える影響
粒子の細かさ
特徴
適した用途
細かい(100μm未満)
なじみやすく、表情とともに自然に動く
涙袋・唇・細かいしわ・浅い層
中程度(100〜250μm)
適度な弾力と安定感
ほうれい線・中顔面・輪郭補正
粗い(250μm以上)
ボリュームが出しやすく、深層で形を保つ
頬・あご・こめかみ・鼻筋など骨膜上
💉非粒子型 vs 粒子型ヒアルロン酸
種類
特徴
代表製品
非粒子型(モノフェイジック)
なめらかで均一。なじみやすい。成形力には劣る
ジュビダーム
粒子型(ポリフェイジック)
粒子が混在。成形しやすく安定性があるが、なじみにくいことも
オルチャン
💡まとめ
粒子が細かい=なじみやすく、ナチュラル
粒子が粗い=輪郭形成など立体感を出す部位に◎
使用部位・目的に応じて粒子の細かさを選ぶことが仕上がりを左右する鍵
📌ヒアルロン酸を入れる代表的な「層」
注入層
説明
適応例・特徴
骨膜上(骨のすぐ上)
骨の上に沿って深く注入
◆ 顎・鼻・こめかみ
◆ ボリュームや輪郭形成に最適
◆ 支え力があり、長持ちしやすい
皮下脂肪層(深層)
真皮より下、筋膜の上にある脂肪層
◆ 頬・ほうれい線・フェイスライン
◆ ふくらみやリフト感を出す部位に適す
真皮深層
表皮のすぐ下、肌のコラーゲン層
◆ 小じわ・唇・目周り・涙袋
◆ なじみやすく、自然なハリ感を演出
真皮浅層
肌表面に近い部分。薄く繊細な層
◆ スキンブースターや水光注射
◆ 肌の質感改善や保水力UPを目的に使用
📌 部位別:ヒアルロン酸を入れる層
部位
注入層
補足
鼻
骨膜上
形崩れを防ぎ、長期間安定
顎
骨膜上
シャープで持続力のある輪郭形成
こめかみ
骨膜上または皮下
深めに入れて凹みを補正
頬
皮下脂肪層(深層)
ふっくら感とリフト感を演出
ほうれい線・マリオネット
真皮深層〜皮下
しわ改善とボリューム補正の両立
涙袋
真皮浅層〜深層
極めて繊細。細いカニューレで少量注入
唇
真皮層
ナチュラルなボリュームと輪郭形成
目の下クマ
真皮〜皮下
くぼみ・凹み補正/注意が必要な部位
おでこ・眉間
骨膜上(必要に応じて真皮)
リスク管理と部位選定が重要
📌使用する製剤によっても注入層は変わる
製剤の**硬さ・粘性(G’値)**によって適する層も変わります:
硬い製剤(ボリューマ、クレヴィエル) → 骨膜上/輪郭形成向き
柔らかい製剤(ボルベラ、リデンシティ) → 真皮浅層/繊細部位向き
中間製剤(ボリフト、レスチレン) → 真皮深層/ボリューム+しわ両方に対応
※注意点:層を誤ると起きるトラブル例
表層に硬い製剤→しこり・凹凸感
深層に柔らかすぎる製剤→変形・吸収早い
血管内誤注入→塞栓症などのリスク(※医師の高い技術が必須)
💡まとめ
ヒアルロン酸注入は「どの層に、どの製剤を、どんな目的で、どの量注入するか」が極めて重要です。
PEGASUS CLINICのように、部位ごとの解剖知識と経験に基づいて層を使い分ける技術力が仕上がりの自然さや安全性を大きく左右します。