産後のシミが気になる原因
目次
出産という大きなライフイベントを経たあと、多くの女性が感じる肌の変化——その中でも特に気になるのが「しみ」の悩みではないでしょうか。
妊娠中から増え始め、産後に濃くなったように感じるこのしみは、ホルモンバランスの変化や生活リズムの乱れが大きく影響しています。
本コラムでは、なぜ産後にしみができやすくなるのか?
そして、いつから・どのように治療を始めるべきなのか?
産後ママに寄り添ったやさしい視点で、わかりやすく解説していきます。

この記事を書いた人
ペガサスクリニック担当者
美容医療の経験豊富な井上院長とスタッフが、常に「お客様視点」を意識して、分かりやすくタメになる専門美容知識を発信いたします。
🔍 産後の「しみ」とは?
産後の「しみ」とは、ホルモンバランスの変化や紫外線の影響により、顔や体に**色素沈着(メラニンの蓄積)**が起こる現象です。特によく見られるのか下記の3種類と言えます。
【肝斑(かんぱん)】⇒両頬に左右対称に現れる茶色いしみ。女性ホルモンの変化が原因。
【そばかす】⇒遺伝や紫外線で濃くなる小さな点状のしみ。
【ニキビ跡や傷跡の色素沈着】⇒産後は肌の回復力が落ちるため残りやすい。
予防と対策は必要です。すぐに開始できることをまとめてみました。
【UVケア】⇒SPF入りの日焼け止めを毎日使用。ちょっとコンビニに行くだけだからとさぼってしまうのは要注意。帽子や日傘などでも物理的遮断を併用しましょう。
【肌の保湿とケア】⇒ビタミンC誘導体入りのスキンケアの使用や低刺激で保湿力の高いスキンケアを推奨。
【食事・生活習慣】⇒ビタミンC・E・鉄分を多く含む(ブロッコリー、キウイ、アーモンドなど)を意識して摂取。睡眠とストレスケアを意識することでホルモンバランスの安定に効果的。
🤔 産後の肌トラブルは産前と何が違うの?
産後は、ホルモンバランス・生活リズム・体内環境の急変により、産前とは全く異なる肌トラブルが現れることがあります。
🔄 産前と産後の肌トラブルの違い
| 比較項目 | 産前(妊娠中) | 産後(出産後) |
|---|---|---|
| ホルモン状態 | エストロゲン増加で肌が潤いやすい | 急激に減少し乾燥・敏感に |
| 皮脂分泌 | 増加傾向(ニキビができやすい) | 低下して乾燥・かゆみが出やすい |
| メラニン生成 | 妊娠中から増加 | 肝斑・しみが濃くなる傾向 |
| ターンオーバー | 比較的安定 | 不安定・遅くなりがち |
| 免疫力・バリア機能 | 保たれている | 低下しやすく肌荒れしやすい |
| ストレス・睡眠 | 比較的取りやすい | 慢性的な睡眠不足で肌に悪影響 |
🧴 産後特有の肌トラブル
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乾燥・つっぱり感
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敏感肌・赤み・かゆみ
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ニキビの悪化
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くすみ・肝斑・しみの増加
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小じわやたるみ感の出現
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アトピーやアレルギー症状の再発
産後の肌は「揺らぎやすい時期」ですが、正しいケアで確実に改善が出来ます!肌の状態を確認しながら、無理なく回復を目指しましょう!

🤰 妊娠中に「しみ取り」「しみ予防の内服」はできる?
基本的に、妊娠中の積極的なしみ取り治療(医療・薬品)はできません。胎児への影響が完全に安全とは言い切れないため、原則として控えるのが一般的な指導です。
赤ちゃんとママの安全を最優先に考える必要があるためです。
🛑 妊娠中に避けるべきしみ取り方法
| 方法 | 妊娠中の可否 | 理由 |
|---|---|---|
| レーザー治療 | ❌ | ホルモン変動により効果が不安定。刺激リスクあり |
| ハイドロキノン・トレチノイン | ❌ | 胎児への影響が懸念されており使用禁止 |
| 内服薬(トラネキサム酸など) | ❌ | 妊婦に対する安全性が未確認。服用禁止 |
✅ 妊娠中でもできる安全なケア
| ケア方法 | ポイント |
|---|---|
| 日焼け止めの使用(SPF30以上) | 紫外線が最大のシミ悪化要因。屋内でも使用を |
| ビタミンC誘導体入りの化粧品 | 美白効果あり、比較的安全(※濃度・製品に注意) |
| 保湿ケア | 肌バリアを守り、しみの進行を抑える |
| 帽子・日傘・UVカット服 | 肌を紫外線から物理的に保護 |
👶 妊娠中のしみは一時的なことも多い
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多くの場合、出産後にホルモンバランスが整うと薄くなることもあります。
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焦らず、まずは予防に徹することが大切です。
⏰ 産後いつから「しみ取り」ができるの?
一般的には、産後3か月以降を目安にするとよいとされています。産後3か月以降であっても出来るもの・できないものがあるため、必ず医師に確認を取りましょう。
🩺 理由と解説
| 時期 | 状態 | しみ取りケアの可否 |
|---|---|---|
| 産後0〜3ヶ月 | ホルモンが不安定・肌も敏感 | ×:本格的なケアは避けることが多い |
| 産後3〜6ヶ月 | 肌が徐々に安定 | △:低刺激なスキンケアから開始 |
| 産後6ヶ月以降 | ホルモンも肌も安定 | ◎:美白成分や治療開始に適した時期 |
💡 しみ取りの方法とタイミング
| 方法 | 開始時期の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 美白化粧品(ビタミンC誘導体・トラネキサム酸など) | 産後3ヶ月以降 | 低刺激なものから始める |
| 皮膚科の外用薬(ハイドロキノン・トレチノインなど) | 産後3ヶ月〜6か月以降 | 授乳中は医師に確認 |
| レーザー治療(Qスイッチ・ピコレーザーなど) | 産後3ヶ月〜6か月以降 | 肝斑は要注意(悪化の可能性) |
| ピーリング・フォトフェイシャル | 産後3か月~6ヶ月以降 | 敏感肌は医師に相談 |
| 美容内服(トラネキサム酸・L-システインなど) | 授乳終了後~ | 胎児への影響が0とは言い切れないため |
👶 授乳中の注意点
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内服薬や外用薬の一部は授乳に影響がある場合もあるため、医師と相談の上で行いましょう。
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美白化粧品や日焼け止めは基本的に安全ですが、赤ちゃんの肌に触れることも考慮して低刺激なものを選ぶと安心です。
🍼 授乳を終えている場合(断乳後)
断乳後(産後6ヶ月〜1年以降など)、ほとんどの美容内服が自由に使用可能になります。

✅ 美容医療レーザーや内服を始める前のチェックポイント
01.産後3か月以降であること
02.授乳中でも可能な美容医療かしっかりと確認すること
03.自宅でのホームケアからまずはゆっくりと行っていくこと
04.産後の状態に合わせて低刺激な治療から徐々に始めること
⏰ 産後のしみはいつからでき始める?
実は、しみは産後すぐではなく、妊娠中から始まっていることが多いんです。
🕒 時期別の傾向
| 時期 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 妊娠中(特に中期〜後期) | 女性ホルモンの増加によりメラニン生成が活発に | すでに顔や首にうっすらしみが出る人も |
| 出産直後(0〜3ヶ月) | ホルモンが急変&睡眠不足・ストレスで肌が不安定に | 肌荒れやしみが濃く見える |
| 産後3〜6ヶ月頃 | ホルモンが少しずつ安定 | この頃からしみが「定着」することも |
| 産後6ヶ月〜1年 | 肌状態が回復しやすい時期 | 適切なケアでしみが薄くなる可能性あり |
💡 ポイント
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妊娠中のメラニン増加がベースになって、産後の肌ダメージや紫外線でしみが濃くなりやすいです。
-
育児で忙しくなるこの時期は、紫外線対策と保湿をサボらないことが重要です。
🤔 産後の肝斑(かんぱん)はしみと同時にできるの?
産後の肝斑は、他のしみ(色素沈着など)と同時にできることがよくあります。
🧬 肝斑と「しみ」の違いと特徴
| 項目 | 肝斑(かんぱん) | その他のしみ(色素沈着など) |
|---|---|---|
| 原因 | ホルモンバランスの乱れ | 紫外線、摩擦、ニキビ跡など |
| 部位 | 両頬・鼻の下・額などに左右対称に出る | 顔全体や部分的にランダムに出る |
| 見た目 | もやっと広がる茶色い影のようなしみ | 点状・はっきりした輪郭のあるしみが多い |
| 時期 | 妊娠後期〜産後に出やすい | 産後の肌ダメージや紫外線で出やすい |
| 治療法 | トラネキサム酸、レーザーは慎重に | 美白剤・レーザー治療が有効なことも |
💡 肝斑としみが同時にできる理由
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妊娠や出産により、エストロゲンの急増・急減が起こり、メラニン生成が活発になります。
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紫外線やスキンケア不足により、複数種類のしみが混在するケースが多く見られます。
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特に30代〜40代の出産時期の女性に多い傾向があります。

🌿妊娠によってできる「しみ」や「肝斑」は一時的なもの?
01.ホルモンバランスの変化が一因
⇒妊娠・出産時は「女性ホルモン」(エストロゲンやプロゲステン)が大きく変動します。これにより、メラニン(しみの原因)の生成が増えるため、しみができやすくなります。産後、ホルモンが安定すると徐々に薄くなることが多いです。
02.生活習慣やスキンケアの影響
⇒育児で忙しくスキンケアやUV対策が不十分になると、しみが濃くなることがあります。適切なケアをすれば自然に薄くなったり、目立たなくなることもあります。
03.肝斑(かんぱん)のように長引く場合もある
⇒中には、産後数年以上残るケースもあります。そういった場合は皮膚科での診察や内服・外用・レーザー治療が必要なこともあります。
✅ まとめ:産後のしみの経過
| 状態 | どうなる? | 対応 |
|---|---|---|
| 軽度のしみ | 数ヶ月で自然に薄くなる | 保湿・UVケアを続ける |
| 中度〜重度のしみ | 長期化する可能性あり | 皮膚科相談を検討 |
| 肝斑 | 慢性化しやすい | トラネキサム酸・美白ケアが有効 |
🍼 授乳中に「しみ取り」はしてもいいの?
授乳中でも条件付きで「しみ取りケア」は可能です。ただし、薬や治療法の選び方に注意が必要です。
💊 授乳中に「しみ」対策の内服薬は飲んでもいい?
原則として、授乳中の美容目的(しみ対策)の内服薬は医師と相談の上で判断が必要です。なぜなら、母乳を通じて赤ちゃんに薬成分が移行する可能性があるためです。
❌ 授乳中に避けるべきしみ対策内服
| 内服成分 | 授乳中の可否 | 解説 |
|---|---|---|
| トラネキサム酸 | ❌〜△(医師により判断分かれる) | 母乳に移行する可能性があるため、日本皮膚科学会では授乳中の使用を慎重にすべきとされている |
| L-システイン(ハイチオールなど) | △ | 明確な安全性データがなく、自己判断での服用は避ける |
| ハイチオールC(市販薬) | △ | 医師または薬剤師に必ず相談すること |
| ビタミンC・E・鉄分などのサプリ | 〇 | 通常量であれば問題なし。過剰摂取に注意 |
産後のしみは、決して特別な悩みではありません。多くのママたちが経験し、悩みながらも少しずつ肌の回復に向けて歩んでいます。
大切なのは、「焦らず、自分のペースでケアを続けること」。ホルモンの影響や生活の変化により揺らぎやすい産後の肌ですが、適切なスキンケアと生活習慣の見直し、そして必要に応じた医師のアドバイスによって、しみは確実に改善していきます。今のあなたの肌にやさしく寄り添いながら、未来の美しさを育てる時間として、しみケアを前向きに取り入れてみてくださいね。
しみ・肝斑のメカニズムやシミ・肝斑治療レーザーの種類についてはこちらのコラムを参考にしてください!
【シミ・そばかすは美肌の大敵!ルビーフラクショナルを選ぶべき!】

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美容医療の経験豊富な井上院長とスタッフが、常に「お客様視点」を意識して、分かりやすくタメになる専門美容知識を発信いたします。