【院長が解説】しわの原因、ちゃんと知ってますか?基礎知識から意外な「それも!?」まで解説!
目次
しわの原因は、加齢・紫外線・乾燥・表情のクセ・睡眠不足やストレス・喫煙の6つが主に知られていますが、それぞれ皮膚へのダメージの仕組みが違います。
「鏡を見るたびに、以前より深くなった気がする」。
そう感じたとき、多くの方がまず「老化のせいだから仕方ない」で片付けてしまいがちですよね。
たしかに加齢はしわの大きな要因のひとつなのですが、しわはひとつの原因だけでできるものではありません。
本記事ではしわができるメカニズムから肌へのダメージの仕組みまで詳しく解説していきます!
この記事でわかること
- しわができる6つの原因と肌へのダメージの仕組み
- しわの3タイプと対処の方向性
- 美容医療でしわを整える考え方
- UV対策・保湿ケアの役割と限界
この記事を書いた人
井上礎馬(PEGASUS CLINIC院長)
内科・泌尿器科と初期研修を含め勤務し、自ら美容診療を学ぶ。 その後業界最大手クリニックで7年間院長を務め、美容皮膚科・外科診療についても学んだ後、PEGASUS CLINICを開院。 「日本美容外科学会」「日本内科学会」「日本美容外科学会正会員」など全7つの所属学会認定医。
01しわはなぜできる?6つの原因と「え、これも?」な話

しわができるのは1つの原因だけではなく、主な原因は次の6つです。
①加齢
②紫外線
③乾燥
④表情のクセ
⑤睡眠不足・ストレス
⑥喫煙
加齢と紫外線はよく聞くと思いますが、「え、それもしわに関係あるの?」という原因もありますので順番に解説します!
①加齢:コラーゲンは「1年1%ずつ減り続ける」とも…!
加齢でしわができるのは知っている。でも「どのくらいのペースで進むか」はご存じですか?
コラーゲンは20代前半をピークに、年約1%ずつ減少するといわれています。 つまり30歳の時点で、すでに10%近くが失われており、40代では20%以上という計算に。
しかも減るだけでは終わらないのが厄介で、コラーゲンが減ってくると、それを作る「線維芽細胞」という細胞が足場を失って縮んだ状態になります。
縮んだ線維芽細胞は、コラーゲンをさらに作りにくくなるだけでなく、コラーゲンを壊す酵素まで増やしてしまいます。
「減る・壊れる」の悪循環が静かに進んでいく…、これが加齢によるしわの正体です。
女性の場合、閉経前後に女性ホルモンが急激に低下し、コラーゲンをつくる力も連動して落ちます。「保湿を頑張っているのに追いつかない」という方が増えるのは、こういう理由からです。
②紫外線:UVAによる「光老化」は毎日積み重なる!
『日焼け止めは、海やプールのときだけ塗っている』という方、実はそれ、“しわ”という観点からはかなり不十分です。
紫外線には『UVA』と『UVB』というものがあり、その中でもUVAという種類は、表皮をすり抜けて真皮層まで届きます。曇りの日でも、室内の窓越しでも透過する、かなりしぶとい紫外線です。真皮に届いたUVAはコラーゲンをつくる細胞にダメージを与え、コラーゲンを壊す酵素を増やす。これが「光老化」です。
光老化がやっかいなのは、“蓄積型のダメージ”だという点です。
毎日少しずつ積み重なっていくため、若いうちは変化に気づきにくいですが、長年の蓄積が40〜50代で一気に深いしわとして現れることがあります。「今日は曇りだから大丈夫」という日の積み重ねで、じわじわと進んでいるんです。
③乾燥|水分不足でもしわができてしまう
乾燥によるしわは、皮膚の表面にある角質層の水分不足が原因です。
水分が抜けて柔らかさが失われた角質は、ひび割れのように細かく縮んで浅いしわ(ちりめんじわ・小じわ)が現れます。加齢や紫外線による真皮のしわとは、できる場所(層)がまったく違います。
乾燥じわは表皮の問題なので、保湿ケアで水分を補えば改善しやすいしわです。一方、真皮のコラーゲンが減少して起きるしわには、ケアだけでは届きません。
目の下・口元・目尻は皮膚が薄く水分が逃げやすいため、乾燥じわが出やすい部位です。季節・エアコンの効いた室内・洗顔のしすぎなども乾燥の原因になることがあります。「保湿を頑張っているのに全然変わらない」という方は、乾燥じわではなく真皮のしわが混在しているケースも多いんです。自分のしわがどちらのタイプかを知っておくと、ケアの方針が立てやすくなります。
④表情じわ:「クセをやめれば治る」は間違い
眉をひそめる、額を上げる、大笑いするときに目を細める。
同じ表情を繰り返すたびに、表情筋の動きに沿って皮膚に折り目がつきます。若いうちは弾力が十分にあるため、筋肉が緩むと皮膚は元の状態に戻ります。
ところが、コラーゲン・エラスチンが減って弾力が落ちてくると、折り目が元に戻りきらなくなります。その状態が続くと折り目が定着して「刻みじわ」になります。眉間のしわ・額のしわ・目尻のしわ(カラスの足跡)がその代表です。
「表情のクセをやめれば治る」と思いがちですが、実際は弾力そのものが落ちていることが問題なので、クセをやめるだけでは刻みじわは改善しません。
診察でも「眉間のしわを、表情に気をつけて直したい」とおっしゃる方が多いんですよ。気持ちはよくわかります。ただ、すでに定着した刻みじわは、表情管理だけでは元に戻りません。弾力そのものを補う手段が必要になります。こういうケースでは、ボトックスで表情筋の動きを抑えるほうが効果的です。
【院長コラム】ローラさん(女優)の“ほっぺプクッ”は、ほうれい線に効くの?

以前、モデルのローラさんが「ほうれい線ができないようにほっぺをプクッとふくらませている」と話していて、ちょっと話題になりましたよね。
結論から言うと、プクッとするだけでほうれい線がなくなる、という医学的な根拠はありません。
ほうれい線の原因は、加齢・紫外線・筋肉の動きなど複数が積み重なったもの。ほっぺを膨らませる動作だけでは、真皮のコラーゲン減少や脂肪・筋肉の位置変化には働きかけられないんです。
ただ、「表情のクセ」という観点ではひとつ言えることがありまして、しわをつくりやすい表情(眉をひそめる・額を上げるなど)を日頃から意識して減らすことは、刻みじわの進行をわずかに緩やかにする可能性があります。
「クセをやめれば治る」は間違いですが、「クセを減らす意識を持つ」ことには意味があるといえますね。
プクッポーズがすべて無駄というわけではないかもしれませんが、それだけに頼るのはちょっと期待しすぎかな、というのが正直なところです!
⑤睡眠不足・ストレス:コラーゲンをつくる力が落ちる
睡眠中、特に眠り始めの深い睡眠のときに、成長ホルモンが活発に分泌されます。
成長ホルモンは日中に紫外線などで傷ついた細胞の修復を助け、肌のターンオーバーを正常に保ちます。睡眠不足が続くと、このリズムが崩れ、コラーゲンの産生も落ちていきます。
ストレスが長く続く場合も、同じように肌に影響します。コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が増え、コラーゲンの合成を抑えてしまうためです。コルチゾールが高い状態が長く続くと、肌の弾力が失われる原因になります。
⑥喫煙:血流低下とコラーゲン破壊が重なる
喫煙がしわを進める経路は複数あります。
まず、ニコチンが血管を縮ませることで、皮膚への血流・酸素・栄養素の供給が大きく低下します。その結果、コラーゲンをつくるための材料が届きにくくなり、コラーゲン産生自体が落ちていきます。
加えて、タバコの煙に含まれる活性酸素がコラーゲンを壊す酵素を増やし、コラーゲン・エラスチンを直接分解します。しかも、タバコを1本吸うたびにビタミンCが大量に消費されると言われており、コラーゲンをつくるために必要なビタミンCが失われていきます。
「血流が落ちる→材料が届かない→産生が落ちる」という経路と、「活性酸素でコラーゲンが壊れる」という経路が重なる。喫煙者のしわが深まりやすいのは、こうした理由からです。
02【院長の知恵袋】“しわのタイプ”で推奨治療が変わる!

原因がどうであれ、見た目のしわは美容医療である程度目立たなくすることが可能です。
ただし1つ知っていただきたいのが、しわに対する治療というのは「このしわには、この治療」と一律に決まるものではないんです。
眉間のしわに見えても、筋肉の動きが主体のことも、コラーゲンが減って溝になっているケースも、両方が混在していることもある。だから、何の治療が向いているかは、お顔を拝見してから判断することになります。
大まかな目安として、
- 表情じわ(眉間・額・目尻など、動いたときに出るしわ)→ ボトックスが向いていることが多い
- 深い溝・ボリューム不足(ほうれい線など、無表情でも出ているしわ)→ ヒアルロン酸が向いていることが多い
という傾向にあります。
ただ、実際には両方を組み合わせることもありますし、どちらが主体かは加齢の程度・骨格・筋肉のバランスによっても変わります。
「自分のしわは表情じわ?それとも深くなってる?」と判断に迷っている方も多いと思います。
セルフチェックで確認する方法もありますが、自分では判断しにくいケースも多いので、気負わずに「このしわ、どういう種類なんでしょう?」という感じで聞いていただければ大丈夫です。
当クリニックのカウンセリングでは、どのタイプのしわが主体かを確かめながら、無理なく続けられる治療の方向性を一緒に考えていきます。医療と並行して、UV対策・保湿といった日常ケアも続けていくことで、しわの進行自体を緩やかにしていきます。
03日常からできることは?UV対策と保湿の基本!

医療での改善と並行して、誰でも今日から始められるのがUV対策と保湿ケアです。これらはしわを「改善する」というより、これ以上「進めない・増やさない」ための土台になるものです。
UV対策…「PA+++以上」の日焼け止めを推奨!
日焼け止めの成分として「SPF」や「PA」という指数が記載されていることがあります。
詳しい説明は省きますが、結論、何を基準に選んだらいいか?でいくならば『PA+++以上』の日焼け止めを選んでいただくことを推奨しています。
なぜかというと、光老化を引き起こすのは主にUVAで、PA指数がその“UVAへの防御力”を示す目安だからです。
日常使いにはPA+++以上を目安に、室内や曇りの日でも使い続けることが光老化を防ぐのに役立ちます(UVAは窓越しでも透過します)。帽子・UVカット服・日傘などの物理的な対策も、日焼け止めと組み合わせると防御力が高まりますね!
保湿…乾燥じわには特に効果的!
乾燥じわ・ちりめんじわは表皮の水分不足が原因なので、保湿ケアで改善しやすいしわです。
洗顔後すぐに(水分が蒸発する前に)保湿成分を塗るのが基本で、習慣として続けることが大切です。成分としては、セラミドやヒアルロン酸(塗るタイプ)が角質層の保湿に役立ちます。セラミドは肌のバリアを整え、水分が逃げにくくなります。ヒアルロン酸は保湿効果がありますが、乾燥じわへの効果は塗っている間だけに限られる側面があります。
一方、深い加齢じわ(真皮の問題)に対して保湿ケアの効果は限定的です。「ちりめんじわには効く、でも深いしわには届かない」というのが正直なところで、ケアの役割には限界があります。
自分のしわのタイプに合わせて、ケアと医療を状況に応じて使い分けていきましょう!
04しわの原因を整理して、ケアか医療かを判断しよう
しわができるのは「老化のせい」だけではありません。6つの原因のどれが中心にあるかによって、ケアで整えやすいしわか、医療が向いているしわかが変わります。
この記事のポイント
- 加齢はコラーゲンが年約1%ずつ減少するのが主な原因
- 乾燥じわは保湿ケアで整えやすいが、真皮のしわには限界がある
- しわは原因にかかわらず、美容医療でアプローチできる!
自分のしわのタイプに見当がついたら、それがケアや受診を考える出発点になります。当クリニックでは、しわのタイプを確認しながら、ボトックス・ヒアルロン酸など状態に合った方法を一緒に考えます。
気になるしわがあれば、まずはお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
井上礎馬(PEGASUS CLINIC院長)
内科・泌尿器科と初期研修を含め勤務し、自ら美容診療を学ぶ。 その後業界最大手クリニックで7年間院長を務め、美容皮膚科・外科診療についても学んだ後、PEGASUS CLINICを開院。 「日本美容外科学会」「日本内科学会」「日本美容外科学会正会員」など全7つの所属学会認定医。